国民健康保険制度について
国民健康保険(国保)は、職場の健康保険や後期高齢者医療制度に加入している人及び生活保護を受けている人などを除く、全ての人が加入する医療保険制度です。
・国民健康保険の加入者
・国民健康保険に関する届出
・国民健康保険税について
・国民健康保険税の軽減措置
・国民健康保険税の納付方法
・国民健康保険税を滞納した場合
・所得区分の判定
・自己負担割合
・国民健康保険で受けられる給付
・入院したときの食事代
・療養病床に入院したときの食費・居住費
・高額療養費
・退職者医療制度
・特定健診
・後期高齢者医療制度
【国民健康保険の加入者】
国保に加入する人は、職場の健康保険や後期高齢者医療制度に加入している人や生活保護を受けている人などを除いて、次のような方々が加入します。
・お店などを経営している自営業の人
・農業や漁業を営んでいる人
・退職などで職場の健康保険などをやめた人
・パートやアルバイトなどをしていて、職場の健康保険などに加入していない人
・外国人登録をしていて、1年以上日本に滞在するものと認められた外国籍の人
75歳以上の人は、国保を脱退して後期高齢者医療制度に加入します。
【国民健康保険に関する届出】
こんなときは、14日以内に届出をしてください。※すべての届出に個人番号が必要です。
【国民健康保険税について】
国保税は、国保事業に使われる費用をまかなうためのものです。そのため、国保税は必ず納めていただく必要があります。
国保税は、他の市町村から転入してきたときなど国保の資格を得たときから納めなければなりません。
国保税は、医療分、後期高齢者支援金分、介護分とあり、それぞれ被保険者の所得割、均等割、平等割から算出した合計が国保税となります。
また、年齢により組み合わせや納め方が違います。
40歳未満の人
国保税 = 医療分 + 後期高齢者支援金分
40歳以上65歳未満の人
国保税 = 医療分 + 後期高齢者支援金分 + 介護分
65歳以上75歳未満の人
国保税 = 医療分 + 後期高齢者支援金分
介護分は、国保税とは別に、介護保険料として納めていただきます。
保険税率については、下記のとおりです。
【国民健康保険税の軽減措置】
1.所得の低い方は、世帯の所得水準に応じて保険税が軽減されます。
(1)均等割額、平等割額の軽減
国民健康保険の世帯主とその世帯に属する被保険者の総所得金額の合計が下記の基準を下回る場合は、基準に合わせて軽減が受けられます。
7割軽減 = 33万円(基礎控除額)
5割軽減 = 33万円(基礎控除額)+275,000円×被保険者数
2割軽減 = 33万円(基礎控除額)+500,000円×被保険者数
※平成30年度から「5割軽減と2割軽減」の基準が変更になりました。
2.後期高齢者医療制度への加入による軽減
・特定同一世帯対象者の軽減
国保から後期高齢者医療制度に加入したことにより、世帯の被保険者が1人となった世帯(特定同一世帯)について、以降後5年目まで、平等割の1/2軽減また、以降後5年目から8年目まで1/4軽減が受けられます。
・被扶養者だった方の保険税の軽減
社会保険等の被保険者(75歳以上)が後期高齢者医療制度に加入したことにより、その被扶養者(65歳~74歳)が扶養を抜けて国保に加入した場合、2年間、所得割と資産割が10割、均等割と平等割が5割の軽減が受けられます。
【国民健康保険税の納付方法】
国保税は、7月から翌年2月までの8回で、毎月送らせていただく納付書、もしくは口座振替により納付していただきます。
忘れず納めていただきますようお願いします。
納め忘れのない、便利な口座振替がおすすめです。
口座振替をご希望の場合は、指定の金融機関(南都銀行、奈良県農業協同組合、ゆうちょ銀行)に預貯金通帳と通帳の届出印をご持参の上、お申し込みください。「東吉野村村税等口座振替依頼書」は、役場税務保険課にありますのでご連絡ください。
なお、村内の金融機関には、「東吉野村村税等口座振替依頼書」が常備されています。
【国民健康保険税を滞納した場合】
国保税の納付ができる能力がありながら国保税を納めない方については、有効期限の短い「短期被保険者証」や「被保険者資格証明書」が交付される場合があります。「短期被保険者証」や「被保険者資格証明書」が交付されることのないように、必ず国保税を納めてください。
【所得区分の判定】
所得・収入、年齢等に応じて区分されます。所得区分は下記のとおりです。
所得区分(70歳未満)
「上位所得者」
・年間所得金額901万円以上の世帯
・基礎控除後の総所得金額などが600万円以上901万円以下の世帯
「一般」
・年間所得210万円以上600万円以下世帯
・年間所得210万円以下世帯
「住民税非課税世帯」
同一世帯の世帯主及び国保被保険者が住民税非課税の世帯。
所得区分(70歳以上75歳未満)
「現役並み所得者」
同一世帯に住民税課税所得が145万円以上の70歳以上75歳未満の国保被保険者がいる人。ただし、70歳以上75歳未満の国保被保険者の収入合計が二人以上で520万円未満、一人で383万円未満の場合は申請により、「一般」の区分と同様になり2割負担(注1)となります。(平成27年1月以降は、新たに70歳になる被保険者の属する世帯の70歳以上75歳未満の被保険者の旧ただし書き所得の合計額210万円以下の場合も「一般」と判定します。
また、同一世帯に後期高齢者医療制度に移行する人がいて現役並み所得者になった高齢者国保単身世帯の場合、住民税課税所得145万円以上かつ収入383万円以上で同一世帯の旧国保被保険者も含めた収入合計が520万円未満の人は、申請により「一般」の区分と同様になり2割負担(注1)となります。
平成30年8月以降
・Ⅲ 年間課税所得690万円以上
・Ⅱ 年間課税所得380万円以上690万円未満
・Ⅰ 年間課税所得145万円以上380万円未満
「一般」
現役並み所得者、低所得Ⅱ・Ⅰ以外の方。
「低所得者Ⅱ」
同一世帯の世帯主及び国保被保険者が住民税非課税の人(低所得者Ⅰ以外の人)。
「低所得者Ⅰ」
同一世帯の世帯主及び国保被保険者が住民税非課税で、その世帯の各所得が必要経
費・控除(年金の所得は控除額を80万円として計算)を差し引いたときに0円となる人。
(注1)昭和19年4月1日以前に生まれた人は、1割負担となります。
【自己負担割合】
自己負担割合は、年齢別で下記のように異なります。
また、70歳以上75歳未満の方には、自己負担割合が記載された「国民健康保険高齢受給者証」が交付されますので、病院などの窓口では、保険証と高齢者受給者証も提示してください。
(適用は70歳の誕生日の翌月(1日が誕生日の人はその月)から75歳の誕生日の前日まで)
義務教育就学前 2割
義務教育就学後から70歳未満 3割
70歳以上75歳未満 2割(一般、低所得者Ⅰ・Ⅱ)(注1)
3割(現役並み所得者)
(注1)昭和19年4月1日以前に生まれた人は、1割負担となります。
【国民健康保険で受けられる給付】
自己負担割合による医療
・診察
・治療
・薬や注射などの処置
・入院及び看護(入院時の食事代は別途負担)
・在宅療養(かかりつけの意思による訪問診療)及び看護
・訪問看護(医師が必要であると認めた場合)
いったん全額自己負担になるとき次のような場合は、いったん全額自己負担となりますが、申請して認められれば、後から給付が受けられます。
・不慮の事故や急病などでやむを得ず、被保険者証を持たずに治療を受けたとき
・手術などで生血を輸血したとき(医師が必要と認めた場合)
・骨折やねんざなどで国保を扱っていない柔道整復師の施術を受けたとき
・医師が必要と認めた、コルセットなどの補装具代がかかったとき
・医師が必要と認めた、はり、きゅう、マッサージなどの施術を受けたとき
・海外渡航中にお医者さんにかかったとき(治療目的の渡航は除く)
次のような場合にも申請によって給付を受けることができます。
・出産育児一時金の支給
被保険者が出産したとき支給されます。妊娠12週(85日)以降であれば、死産・流産でも支給されます。
・葬祭費の支給
被保険者が亡くなったときに葬祭を行った人に支給されます。
・移送費の支給
医師の指示により、やむを得ず重病人の入院や転院などの移送に費用がかかったときは移送費が支給されます。
・交通事故にあったとき
交通事故など第三者の行為によってけがや病気をした場合でも、届け出により国保で医療を受けることができます。
この場合、国保が医療費を立て替え、あとで加害者に費用を請求することになりますので、被保険者証、印鑑、事故証明書(後日でも可)を持って、役場税務保険課で「第三者の行為による被害届」の手続きを行ってください。ただし、加害者から治療費を受けとったり示談を済ませたりすると国保使えなくなることがありますので、示談の前に必ずご相談ください。
・こんなときは被保険者証が使えません。
病気とみなされないもの
・人間ドック ・予防注射
・歯列矯正 ・正常な妊娠・出産
・美容整形 ・軽度のわきがやしみ
・経済上の理由による妊娠中絶など
仕事上のけがや病気 → 労災保険の対象となります。
※故意の犯罪行為や事故、けんかや泥酔による傷病、医師の指示に従わなかったときなどは国保の給付が制限される場合があります。
【入院したときの食事代】
入院中の食事にかかる費用のうち、次の標準負担額は自己負担となります。
入院時食事代の標準負担額(1食あたり)
*指定難病の人等は260円となります。
○住民税非課税世帯、低所得者Ⅰ・Ⅱの人は、入院のときに
「限度額適用・標準負担額減額認定証」または「標準負担額減額認定証」が必要となりますので、役場税務保険課に申請してください。
※国保税に未納がある方は、申請しても交付されない場合があります。
【療養病床に入院したときの食費・居住費】
65歳以上の人が療養病床に入院したときは、食費と居住費として次の標準負担額を自己負担します。
食費・居住費の標準負担額
○低所得者Ⅰ・Ⅱの人は、入院のときに「限度額適用・標準負担額減額認定証」が必要となりますので、役場税務保険課に申請してください。
○入院医療の必要性の高い状態が継続する患者、および回復期リハビリテーション病棟に入院している患者については、入院時の食事代の標準負担額と同額の食材料費相当額を負担します。
【高額療養費】
医療費が高額になったとき、限度額を超えた分が高額療養費として支給されます。
また、事前に入院や高額な外来診療を受けることがわかっている場合は、「限度額適用認定証」(住民税非課税世帯は「限度額適用・標準負担額減額認定証」)を病院の窓口で提示することで、支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。
なお、「限度額適用認定証」等については、事前に役場税務保険課に申請してください。
■70歳未満の場合
同じ人が同じ月内に同じ医療機関に支払った自己負担額が、限度額を超えた場合、その超えた分が支給されます。
(注1)過去12ヶ月以内に同じ世帯で高額療養費の支給が4回以上あった場合の4回目以降の限度額
・入院したとき
一医療機関に入院の場合の窓口負担は、限度額までとなります。限度額は所得によって異なりますので、「限度額適用認定証」(住民税非課税世帯は「限度額適用・標準負担額減額認定証」)の提示が必要となります。入院の際は、あらかじめ交付申請をしてください。
・同じ世帯で合算して限度額を超えたとき
一つの世帯で同じ月内に21,000円以上の自己負担額を2回以上支払った場合は、それらを合算して限度額を超えた分があとから支給されます。
■70歳以上75歳未満の場合
同じ月内に支払った自己負担額が、限度額を超えた場合、その超えた分が支給されます。
自己負担限度額(月額)
(平成30年7月まで)
(※1) 年間上限額は、8月から翌年7月までの累計額です。
(※2) 過去12ヵ月以内に4回以上該当した場合の4回目以降の金額です。
(平成30年8月より)
(※1) 年間上限額は、8月から翌年7月までの累計額です。
(※2) 過去12ヵ月以内に4回以上該当した場合の4回目以降の金額です。
・75歳到達月は、国保と後期高齢者医療制度の限度額がそれぞれの2分の1ずつとなります。
※外来(個人単位)の限度額を適用後、入院と合算して世帯単位の限度額を適用します。入院の窓口での自己負担額は、世帯単位の限度額までとなります。
■70歳未満と70歳以上75歳未満が同じ世帯の場合
①70歳以上75歳未満の人の限度額をまず計算。
②これに70歳未満の人の合算対象額を加え、70歳未満の人の限度額を適用して計算。
・計算のポイント
月ごと(1日から末日まで)の受診について計算。
入院時の食事代や保険のきかない差額ベッド料などは対象外。
同じ医療機関でも歯科は別計算。また、外来と入院も別計算。
二つ以上の医療機関にかかった場合は別々に計算。
※70歳以上75歳未満の人は、病院・診療所、歯科の区別なく合算。
外来は個人ごとにまとめ、入院を含む限度額は世帯内の対象者を合算。
・厚生労働大臣が指定する特定疾病
高額な治療を長期間継続して行う必要がある特定疾病(先天性血液凝固因子障害の一部の人、人工透析が必要な慢性腎不全の人、血液凝固因子製剤の投与に起因するHIV感染症の人)は、申請により「特定疾病療養受療証」が交付され、1か月の自己負担額が10,000円までとなります。※人工透析が必要な慢性腎不全の人で70歳未満の上位所得者の人は自己負担額は20,000円までです。
【退職者医療制度】
勤めていた会社などを退職し、年金(厚生年金など)を受けられる65歳未満の人、およびその65歳未満の被扶養者は「退職者医療制度」で医療を受けます。
○対象となる人
次の条件に当てはまる退職被保険者本人とその被扶養者です。
・国保に加入している65歳未満の人
・厚生年金や各種共済組合などの年金を受けられる人で、その加入期間が20年以上、もしくは40歳以降に10年以上ある人
・平成27年4月以降に60才となる方は対象となりません。
○お医者さんにかかるとき
医療機関の窓口で退職被保険者証を提示して受診します。自己負担割合は、一般の国保と同様です。
【特定健診】
40歳以上75歳未満の国保の被保険者を対象に、生活習慣病のおおもととなるメタボリックシンドロームの早期発見を目的とした「特定健診」が行われます。
・特定健診の主な内容
まず腹囲測定などで内臓脂肪の蓄積を調べます。また、喫煙習慣などの問診、血圧や血糖、脂質、尿検査、肝機能検査といった基本的な検査が行われます。必要に応じて詳細な検査を実施します。
・特定保健指導の流れ
健診結果から生活習慣の改善の必要性レベルに分けて判定・通知されます。すべての人に情報提供が行われ、「動機づけ支援」、「積極的支援」の場合はそれぞれに合わせた「特定保健指導」を行います。
【後期高齢者医療制度】
75歳(一定の障害のある人は65歳)以上の人は、これまで加入していた国保や職場の健康保険などを脱退して、後期高齢者医療制度で医療を受けます。
詳しくは後期高齢者医療制度のページをご覧ください。
【その他】
【お問い合わせ先】
税務保険課 年金保険医療グループ