東吉野村ニホンオオカミ手作り絵本コンクール審査結果
応募作品数
112作品
審査結果のお知らせ
10月の審査を終え、入賞作品が決定しました。ホームページでの発表が、予定の10月末よりも遅れてしまい、応募者の皆様には、大変なご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます。
なお、多くの素晴らしい作品が届きましたので、当初予定しておりませんでしたが、村長賞・審査員特別賞に加え、次のとおり、入選・佳作を選ばせていただきました。
村長賞
題名/ぼく、ニホンオオカミになる!!
作者/マスダ ケイコ(兵庫県神戸市)
内容/東吉野村を舞台にした、ニホンオカミに憧れる犬の物語。
=審査員講評=
岡田 よしたか(絵本作家)
犬の気持ちを通して、ニホンオオカミへの思いがよく描かれていました。絵が非常に美しく、思わず見入ってしまうページもありました。ラストがもう一押し欲しかったけど、全体の完成度の高さを評価しました。
モカ子(絵本作家)
普通の犬がニホンオオカミに憧れる内容が、わかりやすかった。文章と絵のバランスがよく、自分以外の人に伝える力もあった作品だと思う。また色の使い方も綺麗で万人に受け入れて貰いやすい雰囲気がある。主人公のヤマトも可愛らしい。ラストの納め方は、もう少し良い意味で読者を裏切るような工夫が必要かもしれないが全体の話の流れもスムーズだったと思う。
審査員特別賞
題名/おじいさんの木
作者/おおかわ よしえ(岩手県滝沢市)
内容/人間の女の子が迷い込んだ不思議な世界。そこには狼の子がいました。
=審査員講評=
岡田 よしたか(絵本作家)
個人的には一番好きな作品です。心が暖まりました。他の多くの応募作品と同じような物語の設定
なのですが、これは文による描写が細やかで、現実感がありました。また、SF的な雰囲気があるのも好みです。絵本というよりも読み物と言えます。
題名/ひみつのさんぽ
作者/エホンオオカミ(東京都足立区)
内容/美しい月夜に、オオカミ像の影から一匹のオオカミが現れて散歩にでかけます。
=審査員講評=
モカ子(絵本作家)
肝心のオオカミの絵が、ずっと眺めているとオオカミに見えてこないのが気になる。ニホンオオカミは小型で、犬のようではあるけれど…。ただ、最初の「銅像が月夜の晩に動き出す」設定が一番うまくいっているように感じた。せっかく自分で作る絵本なので、もっと、破綻してもいいから、自由に書いたらいいのになと思う作品が多い中、ニホンオオカミのカラダをかりて作者自身が、東吉野の自然をのびのび満喫しているような自由さの片鱗を感じて、いいなぁと思った。絵本のもつリズム感が、良くなってくると、もっともっと、楽しい絵本になると思う。
入選
題名/おおかみの国
作者/林 真理(山形県鶴岡市)
題名/東吉野村とニホンオオカミ
作者/シュー ヤマモト(ユタ州ソルトレーク市)
題名/木になったニホンオオカミ
作者/秋谷 正夫(千葉県鎌ヶ谷市)
題名/テンロウ
作者/中田 美智世(兵庫県三田市)
題名/かみさまくらべ
作者/中谷 有香(奈良県奈良市)
題名/おおかみ谷ものがたり
作者/武田 光弘(長野県安曇野市)
題名/おおかみの虹
絵/鈴木 オリエ 文/千尋(静岡県静岡市)
題名/虹の橋渡し ニホンオオカミ物語
絵/石坂 香 文/青柳 晶子(東京都稲城市)
題名/そろそろでよか
作者/仲 かよ子
題名/ナニオオカミ?
作者/乃坂 夏美(東京都文京区)
佳作
題名/おおかみのおいしゃさん
絵/ひよし きなり 文/ふじわら さちこ(岡山県岡山市)
題名/にほんオオカミさん
絵/三浦 あや 文/うさやま みやこ(京都府京都市)
題名/オオカミのやくそく
作者/戎谷 美佐子(三重県大台町)
題名/心やさしいオオカミくん
作者/上野 晃(神奈川県相模原市)
題名/ほしづきよ
作者/園田 源二郎(滋賀県守山市)
題名/ニホンオオカミとむらびと
作者/田島 雅子(大阪府大阪市)
題名/COOL OOKAMI
作者/佐藤 眞葵(新潟県新潟市)
題名/日本オオカミと行商
作者/宮川 昭美(大阪府大阪市)
審査員総評
岡田よしたか(絵本作家)
まず、内容とは関係ないのですが、しっかり製本されたものが多いのに驚きました。応募された皆さんの自分の作品に対する愛着の強さを感じました。そして、内容はそれぞれ技術的な差はあるものの、皆さんの熱意を強く感じました。中には、あっと驚く強引な展開で驚かしてくれた作品もありました。自分ではとても描けない、無垢と言っ
ていいような絵も多く見られ楽しませて頂きました。これは言いかえれば、一生懸命描いているということです。上手下手でなく、一生懸命描いた絵には、ひかれます。ただ、絵本のストーリーはこうあらねば、というような意識も感じられました。そこを解放すると、創造の世界はもっとひろがります。
モカ子(絵本作家)
全体を通して、力作が多く画力も高い作品も多かったので、とても悩み、迷いました。ただ、「絵本っぽく仕上げなくては!」という見えない何かに縛られて描きたいものが伝わっていない気がするなぁと思う作品も多かったです。途中の設定が面白かったもの、ラストが面白かったものもあったのですが、全体のバランスや、自分自身が絵本を作るのに大切にしていることを色々と思い出して各賞を決めました。
審査員
岡田 よしたか(絵本作家)
大阪府出身。奈良県内在住の絵本作家。
絶妙な大阪弁で展開されるユーモアある作風を得意とする。2012年『ちくわのわーさん』(ブロンズ新社)は、3万5千部を超えるヒット作となり、第3回リブロ絵本大賞を受賞。
モカ子(絵本作家)
広島県出身。奈良県内在住の絵本作家。
カラフルで愉快な、ほっこりするお話しを得意とする。著書に「ルンバさんのたまご」「うめぼしくんのおうち」(ひかりのくに)があるほか、月刊絵本でも活躍中。2015年6月に「おばけのモジくん トイレいけるもん」(ひかりのくに)を発売。
― 絵本作家モカ子のポートフォリオサイト ―
http://mookako.web.fc2.com/top.html
村関係者審査員
絵本活動や幼児教育、村の歴史などにかかわる関係者5名。
お問合せ
東吉野村 教育委員会
電話:0746-42-0441(東吉野村役場 代表)
メール:kyouikuiinkai@vill.higashiyoshino.lg.jp
※選考内容についてのお問合せは、ご遠慮ください。